マツタケごはんを作るには?

実は十数年前、自分でマツタケごはんを作った事が何回かあります。

ドラマや漫画で、
「マツタケごはんてやっぱりおいしいわね♪」
なんていう台詞をよく聞くのですが、我が家でマツタケが
食卓に上がった事は一度もなかったからです。

大人になり、一人暮らしを始めて、どんなものかと試しにやってみたんです。
まあ、好奇心からですね。

How to マツタケごはん

炊き込み御飯の作り方の本を買い、
見よう見まねでやってみました。

[colored_bg color=”light‐yellow” corner=”r”]他のキノコの炊き込み御飯と違い、
ご飯と一緒に炊き込んではいけない[/colored_bg]

ということを、本を読んで初めて知りました。

この時はカナダ産のマツタケを使ったと記憶しております。
1本千円ぐらいだったかな? 2、3本買いました。

で、まずは泥だらけなのにビックリしました。
しかも、水洗いNG。

実はマツタケに限らず、キノコ類は原則として水洗いは
NGなんだそうです。

うまみや香りが逃げてしまうからだそうです。

で、ペーパータオルを濡らしてゴシゴシとやりましたが、
何回やっても泥がなかなか落ちなかった記憶があります。

次は、手で太い茎を何本かに割く。
これも、マツタケに限らず、キノコ類は
原則そうするものだそうです。
エリンギもエノキもしめじも舞茸も、
手で割いた方が確かにおいしくし上がります。

割いたマツタケは、醤油と酒を振りかけてしばらく置き、
炊きあがったご飯につけ汁ごと入れ、蒸らした後にいただくのです。

肝心の味はと言えば、確かに美味しかったんです。

香りは素晴らしいし、食感も悪くない。味だって美味しい。

でも正直な感想は、
「何だ、こんなもんか」
でした。

しかもご飯だけじゃなくておかずも
それなりのものを作らないといけないし、
それも主役のマツタケの味や香りを
損ねないものとなると、付け合わせも限られます。

どうせ同じ値段を出すなら、
寿司のお任せや、おしゃれなレストランで
コース料理をいただいた方が断然満足感があると思いました。

で、主婦となった今となっては、
絶対にマツタケごはんは作りません。

母の気持ちが、大人になってよくわかった一件でした。

マツタケのにぎり

日暮里に住んでいた頃の事です。

アパートの大家さんに美味しいお寿司屋さんを
紹介してもらい、寺町の一画にのれんを構えるお店のカウンターで、
握り寿司をいただいた事があります。

この時、お店の大将から、裏メニュー
「マツタケのにぎり」があると聞きました。

寺町のお寿司屋さんですから、
お葬式や法事の精進落としを任される事もあるのでしょう。

「この辺りの坊さんは、贅沢なんですよ」

そう言って大将がこっそり見せてくれたのは、
丹波産のマツタケの小さな箱でした。
そう、お坊さんは生臭もの、つまり魚介類はいただけませんからね。

「いくらですか?」

私の質問に、大将はのらりくらりかわして
絶対に教えてくれません。

「絶対頼んじゃダメですよ。あなたに払いきれる額じゃありません」

銀座や築地の一流店では、大トロやウニを1カン1万円で出すなんて
都市伝説のような話を聞きますが、多分それの上を行くのでしょう。

マツタケ1箱を丸まる買い取り、
それで寿司や付け合わせを作るのでしょうから、
当時でもおそらく5万から10万はしたのでしょう。

もし今、同じモノを頼めば、その2倍は覚悟しないといけないでしょうね。

昨今のマツタケ事情

やはり市場に出回っているのは圧倒的に外国産です。

中国産ですとか、ネットではメキシコ産というものも見ました。
1本で千円ぐらい。2、3本で、ステーキ肉や、
本マグロの中トロを買える値段です。

国産では、その3倍はするようです。
しかも丹波のような名門ではない産地でそのレベルですから、
丹波産のA級品と言ったら…。ファッションジュエリー買えるぐらい
の値段になるんじゃないかな?

それでもマツタケが食べたい!という方は、
山を持っている方と平素から仲良くされる事をお勧めします。

田舎には、この時期になると自分の山の秘密の場所から
キノコを採って来て、贅沢をされる方が必ずいます。

ちなみにこういう方は、キノコや山菜の穴場は、
例え自分の家族や恋人にも絶対に教えないのだそうです。

お裾分けはもらえても、どこで採れるかまでは教えてもらえないと
覚悟してください。